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散歩しながら(ぼうちゃん)

第43回 なれなきゃそれまで

人は何か一つくらい誇れるものを持っている。
何でもいい、それを早く見つけなさい。
夢を持て、目標を持て、やればできる。

などなど
ビジネスに人生に、
成功するにはどうしたらよいかという本には
どれにも書いてある決まり文句です。

もっともな言葉ですが本当いうと
こういうものを読んで若者は途方に暮れるのです。


こんな言葉に惑わされないことです。
だいたいが誇れるものなんか持っていません。
誰もがやれば出来るなんてことはありません。

まともに相手にしないくらいなら良いですが
真に受けているとそのうち

やり方さえ教えてもらえれば、おれも上手くいくかも
だからそのノウハウが欲しい。
こう言いだします。


残念ながら、まったく見当はずれだと思います。
それほど簡単なことではないのですから。


成功している人をみると大切なのは、
気持ち8割、やり方ノウハウ2割だと思います。
ただし運やツキの良さがあってのことですが。

成功した人は、どんなに失敗しても
決して諦めないとか強い気持ちがあったから
成功できたわけであって、

ノウハウがあったから成功できたわけじゃない
にもかかわらず、
目先のノウハウがあれば成功できると思ってしまう。

それでも
若者は今の自分を何とかしたいと思っていますから
夢を持ち目標を持ち

やればできるといわれると焦りますが
何にも見つからない。

だからすぐにも自分の誇れるものを見つけたくて
手っ取り早く
そのノウハウを求めます。

必要なのは、他人のノウハウではなく、
自分の気持ちなんだということが分からない。


そうではなく、十人十色なんだから
自分に合った生き方しかできない。

そのために、
持っているお金と時間を
使ったほうがいいのですけれどね。

気持ち8割ということを
いつも腹にしまっておけばいいわけです。

ひとつだけ使えるとしたら
途方に暮れていないで
人の真似をすればいい。

成功している人の真似をする。
何を真似すればいいのかといえば
それは、生き様そのもの、しかも失敗したこと。

どうしようもないときに、どうやって乗り越えたか?
ブレイクしていない時代に、どうやって耐えてきたのか。

お金がない時代に、どう過ごしてきたか。
そういった、生き様を真似すればいい。

とくにマイナスのところ、失敗したところの
表面的な部分ではなく、
根っこの部分を真似すれば、
あるいは成功するかもしれない。

しかし、
しないカモシレナイ。(笑)


だってそうでしょう。
噺家が言っています。


落語を聴くと頭がよくなるよ。
昔の総理大臣はみんな落語を聴いて育ったんだ。

だから総理大臣になりたけりゃ、
アンタがたも落語を聴きなよ。

聴いてなれなきゃ、それまでなんだから。

2011/04/25