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散歩しながら(ぼうちゃん)

第22回  正義を売り物にするなかれ

新聞やテレビが
本当につまらなくなってきたのと同時に
違和感がいつもありますが、

大相撲の報道にもそれは感じています。

子供の頃、日本人の多くは
プロレスと大相撲とプロ野球が大好きでした。

原っぱで相撲を取るのが男の子供の遊びで
日が暮れるまで遊んだあと、
ラジオにかじりついて相撲中継を
聴くのが楽しみでした。

 

八百長や賭博は公然とはあってはならないが
しかし実質的にはなくてはならないもの、

われわれの日常生活には不可欠なものであり
一種の必要悪とでもいうべきものだと思います。

国民の多くはそんなことは暗黙の了解として
祭りごとのひとつとして楽しんでいました。
大人なら分かっていることです。

相撲取りのあの体格同士で
本気で毎日真剣勝負をしていたら

怪我人が続出で
毎場所興業など打てないでしょう。

そんなことは分かりきったことで
無気力相撲だ、八百長だと

正義を振りかざして偉そうに識者が
新聞テレビが喚いていますがいったい

本気で相撲社会を
潰してしまおうと思っているのでしょうか。

新聞テレビ知識人が向けるべき
矛先はそんなところじゃないだろう。

相撲なんか相手にしている場合じゃない。
たとえば菅さん。
政治家としても人間としてもオヤッと思っています。

菅さんの小沢さん党員追放。
いくら何でもヤリすぎだなと思う。
一応創業者ですからね、現政権の。

井戸を掘った人は大切にするものでしょう。
しかし、菅さんは井戸を掘った人を
井戸に投げて石まで落としている。

民主政権も二大政党制も
小沢さんの戦略と努力の賜り物なのに。

でなければ「菅総理」がありえなかったのだから。

念のため。
私は政治の話はしていないし、関心もありません。

小沢さんも菅さんもホントはどうでもいい。
しかし人としての道理はあるだろうと思う。
ヤクザだってこんな仁義のないことはしない。

まあマスコミは小沢さんが嫌いですからね。

それを相撲ばかり連日新聞テレビで
大騒ぎひっくり返し
鬼の首でも取った騒ぎをしている。

繰り返して言うけれど
大相撲の八百長など
新聞テレビが大騒ぎするような
大問題ではないと思います。

もっとも政治家や新聞のレベルは
絶対その国の市民にお似合いなもの
ですから文句を言っても仕方ないのですが。

山本夏彦が
小気味よいことを言ってくれています。  

正義を売り物にするなかれ、と。

「一人安全かつ居丈高なのは新聞の正義だけである。
けれども、およそ大ぜいが 

異口同音に言う正義なら
安物で眉ツバにきまっている。
たとえ肉体は売っても、正義を売り物にするなかれ」 

これで溜飲を下げることにします。

2011/02/25