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散歩しながら(ぼうちゃん)

第16回 ヤクザにならないだけマシ

倅が言うことを聞かなくて困っている。

そういって若い友人が相談に来ました。

高校を辞めたいと言い出して、
親の説得にも
耳を貸さないということです。
子育ては誰でも大変です。

幼児期はもちろん
子の思春期にも親は頭を痛めます。

私の子育てはもう昔のことになりました。

娘二人でしたが自慢できるような
子育ては出来ませんでした。

当時の私の日記を読むと若い親としての
こころ構えを書いていますが
気恥ずかしいかぎりです。

子供の中で何が起こっているかを見守り

必要なときは手を貸すこと。

小学生になったら  面白いこととそうでないこと
中学生になったら  大事なことと下らないこと
高校生になったら  自分に出来ることと出来ないこと

親は子供に知らしめてやるべし。

なんて立派なことを書いていますが、
実際は子育てのほとんどを妻に任せ切りだったし、

子供は親の思い通りには育たない
ものだと分かったことです。

また親の背中を見て子は育つと
うそぶくほどの自信ある
背中でもありませんでした。

「ダテに年はとらず」

という本の中で
邱さんが子育てについて語っています。

〈日本の実業家たちの中で
ドラ息子に悩まされている人はたくさんいる。

事業家としては成功したかもしれないが
人間としては必ずしも成功者といえない
のではあるまいか。

そういう人に比べれば子供たちから
親しまれ尊敬されている市井の親の方が

ずっと幸せ者といえる。
そうした分かれ目は家庭教育にある〉

といって邱さんは
〈子供の小さい頃から挨拶をちゃんとすること、
お金の扱いをきちんとすることを厳しく教えた〉

と言っています。

 

しかし親の思い通りに子は育たないものだし
あまり大人物になれなくても

<ヤクザにならなかっただけでも親孝行>

と思うくらいでよいのかもしれません。

 

若い友人の倅はまだ何とか高校に

通っているそうです。

2011/02/11